先日書いたネタ。
麻衣子さん総受け風(人気者)
なぜ麻衣子がこの場にいるのかについては、麻衣子の親御さんが打ち上げ会場が経営とか後援会出資者だとかそんな感じで。
[0回]
たとえばこんな恋模様
「藤村、頼まれてくれないか」
渋沢キャプテンに言われ、シゲはアンダー代表打ち上げ二次会での周りの会話から抜け出して、渋沢の視線の先を追った。
そこに居たのは、上條麻衣子。
アンダー代表メンバーや、サッカー協会スタッフたちと談笑しながらも、だいぶ酔っ払っている様子だった。
渋沢が、シゲが彼女を確認したのを見て言った。
「彼女の家、知ってるだろ? 送って行って貰えないか」
「ええけど、なんでソレ兄ぃさんが頼むん」
渋沢は困った顔で頬をかき、小声で言った。
「……ここだけの話だぞ、藤村。今日振ってしまったんだよ、彼女のこと。そしたらどうも、やけ酒なのか、彼女やけにペースが早い」
「なるほど、ようやくそうなったん」
シゲは首肯した。
上條麻衣子が渋沢に片思いしているらしいのは、シゲも気づいていた。とうとう今日、彼女は告白して玉砕したわけなのだ。
「ええよ。切りいいとこで送るわ。しっかし、兄ぃさんも大変やね」
シゲは渋沢の肩を叩いた。
普段ないぐらいに酔っぱらった彼女を放ってはおけず、しかし彼女を振ったからには、自分で送ってやることもできない。
観察眼のある渋沢のことだ、早くから彼女の気持ちにも気づいてはいただろうが、告白されるまでは動きようがなかったのだろう。
想われる方も大変である。
渋沢は軽く笑んで言った。
「気持ちは嬉しかったんだけどな、俺も彼女持ちだから。
いい恋人が早く見つかるといいんだが」
「……せやね」
シゲは少し間を置いてから頷いた。
タクシーに乗り込んだ上條麻衣子は、かなり酔っていた。行き先を運転手に告げるのにも呂律が回っていない。
渋沢の見立てどおり、誰かのフォローが必要で、一人で帰せる状態ではなかった。
「やけ酒はほどほどにしときーや、お嬢」
聞いているのかいないのか、彼女は沈黙である。
中学時代から今までの、彼女の恋愛遍歴をシゲは知っていた。
直接話されたわけではないが、彼女の態度は分かりやすかったから、すぐ気づいたのだ。
中学時代は、小島有希の兄であるプロサッカー選手に。
高校卒業間際のころからは、風祭の兄に。
ここ一年ほどは、渋沢に。
はじめの二人は大分年上、渋沢も大人びた男で、彼女の好みがはっきり分かるようなものだが、シゲから見れば完全に彼女には脈の無い相手ばかりであった。
揺れる車内で、シゲは彼女の横顔を眺めながら聞いた。
「何で、えらい年上とか、彼女持ちとか、脈無い奴ばっか好きになるん、お嬢。そら振られるわ」
「……うるさいわね、ほっときなさいよ」
酔っているからだろう、いつもより力のない口調である。
タクシーが揺れ、彼女はシゲの肩口に寄りかかった。
臥せられた長い睫毛。ほんのりと香水のかおりが届く。
中学のころから美少女だったが、今では格段にきれいになった彼女。相手さえ間違えなければ、簡単にくっつけるだろうに。
彼女が好きになるのは、シゲとは全然違うタイプばかりで。
しばらくの沈黙。
「お嬢、起きとる?」
尋ねても反応はない。
シゲは、そっと名前を呼んでみた。
普段は愛称ばかりで、確かには一度も呼んだことのない、その名前。
「……麻衣子」
案の定、返事は無かった。
「ったく、しょうがあらへんなぁ」
シゲは窓から外を見やった。
ここに、こんなにいい男がいるというのに。とはさすがに口に出さなかった。
シゲは、上條麻衣子の眼中にないのだ。
えらいモヤモヤすんな、なんやろなぁ、と思ったまま、シゲは彼女を家まで送り届け、打ち上げの二次会会場へと戻った。
彼女に乞われてみたい。想われてみたい。
シゲがその感情の正体をはっきり知るのは、二次会会場に戻ってきたシゲを見て、上條麻衣子はまだフリーなのだと喜び勇んだ男たちがやたらと大勢だったのを見た時だった。
あとがき
最後、わかりにくいですが…
上條が渋沢を好きなことは他のアンダーメンバーも薄々気づいてるんですよ。
で、シゲが上條を送ったことで、「あれ?どうなってんの?上條さんて渋沢好きな筈…まさかシゲと…」とコソコソ噂されてたんですよ。
で、シゲが帰ってきたことで、目ざといメンバーが、上條、渋沢に振られシゲに送られる、上條はシゲとはくっつかずフリー、の状況を見抜いて、他の「いいよな上條さん」のメンバーたちと「よっしゃ! これで俺にもチャンスが!頑張って口説こう!」と盛り上がっていた、という状況です。
四コマ的ネタ
筆者絵心がないので、画を想像してお楽しみください
「」は吹き出しのセリフ
()は書き文字です
1 藤代「これで上條さんフリーなんでしょ? 俺、頑張っちゃおうかなー」
シゲ「!」(どきっ)
2 鳴海「あ、俺も」手を挙げる
若菜「俺も俺も」
たっきー「…僕も」
続々挙がる手
シゲ 焦る(マジか)
3 シゲ遅れて手を挙げる「ちょっと待てやお前ら」(お嬢は俺が――)
渋沢 皆が手を挙げているのでよくわからずマネ「ん?俺も俺も?」
4 シゲを除く全員、渋沢に向かって「どうぞどうぞ」(渋沢キャプテンには敵わない)
シゲ突っ込み「オイ!」(俺には譲らんのかい)
てなダチョウ倶楽部ネタ……
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2015/02/01
笛小説
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