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2026/02/17

メリークリスマス!遅! (無理やり記念シゲマイSS)

どうも今年もいよいよ年の瀬のようです。

ど根性でクリスマス記念(下にあります)。
ほぼ一発書きです、クオリティーは度外視して広い心でご覧いただけるとありがたいです。

そして更新が遅れました。(23日に書き始めたら間に合わなかったという)
クリスマスを過ぎてしまいました。
そこのところも、広い心でご覧いただけるとありがたいです。
申し訳ないっす。



それでは皆様、よいお年を!!!

拍手[0回]




数えてみれば、彼女との『お付き合い』は以外に長い。
中学の頃からだから……もう5年以上になる。
一緒にクリスマスを過ごすのも、数えてみれば、ずいぶんと久しぶりだ。
遠距離恋愛や遠征やらでどうしても時間が取れず、思い返せば、前回のクリスマスの思い出は中学3年時にまでさかのぼってしまう。



  プレゼント=???




サンタの格好をしたダックスフントと行きあい、シゲはつないだ手を引いて隣の彼女の注意を促した。彼女は、かわいい、と言ってシゲに笑いかけてくれた。
久しぶりのデート、久しぶりに会う彼女。しかも今日はクリスマス。街の様子も、ディスプレイも、華やいだ雰囲気で、彼女は終始ご機嫌だった。

なのに突然、雲行きが怪しくなってきた。夕食を終えた頃、そろそろプレゼント交換のタイミングか、とシゲが思い始めたころだ。
「お嬢、そろそろ……」ポケットからプレゼントを取り出そうとしたシゲに隙を与えず、彼女は言った。
「そろそろ出ましょう」
「えぇ、もう?」
「え、だってもう、食べ終わったじゃない。お腹いっぱいよ」
「……まぁそうやけど。ほな、出よか」
おとなしく外へ出て、イルミネーションの中を歩く。
――おお、いい雰囲気や。
そのまま、噴水の前にたどり着いた。噴水の水も光に彩られていて、期間限定のものがもつ、非日常の魔力がある。
――おっしゃ、このタイミングならええやろ。
ふたたびシゲはポケットに手をやり、プレゼントを取り出そうとした。
すっとシゲの顔を見上げて彼女が言った。
「ねぇ、寒くない? どこかで温かいもの飲まない?」
「え? ああ、うん、そうやな」
二度目の肩透かしに、動揺を隠しながらシゲはようやく答えた。


……プレゼントって、どういうタイミングで渡すもんやったっけ?
コーヒーを飲みつつ、シゲは思い浮かべた。念願のクリスマスデートが、こんなところでけ躓くとは思わなかった。中学の時は確か、スムーズに渡せたはずだ。
それからは遠距離になって、プレゼントはお互い送り合う形になったので、参考にならない。
そろそろプレゼントでもとここで言い出しても、また同じようにかわされるだけだろう。そう思ったシゲは、「そろそろ時間やろ」と彼女に切り出した。あっという間に、移動して電車にのらなければ門限に間に合わなくなるような時間だった。

 待ち時間もなく到着した電車に乗り込んだ。車内は空いていたので、二人並んで座席に腰掛ける。
隣の彼女の体温を感じて、ひょっとしたら今日で一番近い距離にいるかもしれないとシゲは気づいた。そして、電車の中ならそうそう彼女もかわせない、ということにも気づいた。
 さりげなくポケットに手を入れ、小箱を取り出す。
「お嬢、これ」
彼女の膝上あたりに差し出し、彼女に受け取るように促した。
「クリスマスプレゼント」
「ありがとう……中身は何?」
箱を受け取りながら、彼女が言った。
「それは帰ってのお楽しみ。早うしまっとき」
「そうね。落としたら大変」
彼女はバッグに小箱を大切そうにしまいこんだ。
「シゲ、あの……」
「何?」
「ごめんなさい。実は私もプレゼント用意したんだけど、家に置いてきちゃったのよ。だから、家に帰るまで、渡すのはちょっと待ってもらえるかしら?」
「忘れたん?」
「そう、今朝時間がぎりぎりだったものだから……」
気まずそうに眼をそらしたまま言った彼女が、そこではじめて視線を上げてシゲを見た。
「プレゼント渡されんようにしとったの、わざと?」
「……ごめんなさい。忘れてきたものだから、つい」
「そんな理由で…言ってくれたらよかったんに。お嬢、ひどい…」
「だからごめんなさいってば! だってせっかくのデートなのに、忘れたって言って台無しにしたくなかったのよ」
「そんなん、待ち合わせで会った時に言ぅてくれとったらよかったんに。俺、全然気にせんかったで」
「ごめんなさいって言ってるじゃない。そんなにショックだったの?」
「好きな女にあっさりかわされるんは、きっぱり断られるのとおんなじ位、きっついで」
シゲは彼女の華奢な肩に額を載せることで、精一杯の抗議をした。
「……重いわよ、もう」
つぶやいた彼女だったが、シゲに貸した肩はそのままにしていてくれた。

駅から彼女の家の前まで、並んで歩いた。
彼女は家に着くとすぐにプレゼントを取りに行き、玄関先で白い息を吐き真冬を実感しているシゲのところへ戻ってきた。
クリスマス仕様に、赤と緑でラッピングを施されている、手のひらほどの大きさの箱を彼女が差し出した。
「遅くなってごめんなさい。気に入ってもらえるといいんだけど」
「きっと大丈夫やで。あけてもええ?」
「ここで? 家に帰ってからにしてよ」
「えー見たいやん」
「あなたにもらったプレゼントも、ここで開けていいっていうならいいけど」
「あーそれは」
シゲは頭をかいた。
「うん、やっぱ帰ってから開けることにするわ」
「そうして。私もそうするわ。帰ってからのお楽しみね」
「そうそう」
うなずき、彼女がプレゼントを開けた時のことを考えていたシゲだが、貰ったプレゼントの箱をポケットにしまおうとして、ふと思いついた。
「もう一個、オマケがあるんやけど、ええ?」
シゲはもらったプレゼントに飾られていたリボンをほどいた。
彼女を手招きし、一歩手前まで来て首をかしげている彼女の手首に、深紅のリボンをきれいに3重に巻き蝶々結びにする。
「何? ブレスレットのつもり?」
「ちゃう。」
シゲは彼女の手首を持ち上げて、唇を押し当てた。
「ちょ、何?」
「しぃ、声大きい」
彼女をそう制し、シゲはもう一度手首に唇を近づけ、リボン近くの白い肌に吸いついた。
手首が痙攣するように反応し、彼女が息をのむ。
「っーーー!」
驚いたような、恥ずかしがっているような、彼女の表情を堪能してから、唇を離した。
ひったくるように手首をもぎ取ると、「馬鹿っ」とあくまで小声でなじられた。
「何するのよ!」
「さっき、さんざんかわされたお礼」
「ひどいじゃないの! こんなとこに跡つけたら、見えちゃうじゃない」
「腕時計上からすれば、大丈夫な位置やろ」
「そう?」
彼女はじっと手首の赤いあざを見つめ、ぽつりと言った。
「もしかして……腕時計のつもりだったの?」
「ぴんぽん。 愛こもっとるやろ?」
「………………バカ!」
赤い顔をした彼女に、思いっきり胸を叩かれた。

「麻衣子ー、寒いんだから上がってもらいなさいよ」
家の奥から彼女を呼ぶ声がした。
「どうする? 上がる?」
「いんや、今日はこれで」
「そう。気をつけてね」
「ん。お嬢、ちょっと外まで送って」
「外まで?」
首をかしげつつも、彼女は靴をはき始める。
「すんません、お邪魔しました――」
家の中にいる彼女の母親に向けて声を張り上げ、シゲは玄関のドアを開ける。冷たい風が吹き込んできた。

 外には冬特有の冷えた空気が満ちていた。
彼女が玄関のドアを閉めると早速、シゲは彼女の腰を引きよせ、胸元へ包み込んだ。
「何?」
「今日はまだキスしとらんやんか」
「さっきしたじゃない」
「あれはキスとはちゃいます」
「そう?」
「ほら、寒いんやから早ぅ」
シゲが顔を近づけると、彼女は仕方がないひと、というような表情を浮かべて目を閉じた。
そっと触れた彼女の唇は暖かかった。ついばむように軽いキスを数回。
シゲは彼女の体を離し、ぽん、と背中をたたいた。
「さんきゅ、もう中入りぃ。風邪ひくで」
「もう少しだけ」
彼女は門扉まで付いてきて、シゲに手を振った。
「おやすみ。気をつけてね」
「おう。おやすみ」
シゲは振り返りながら歩いた。角を曲がって彼女の家が見えなくなるまで、彼女はシゲを見送ってくれた。
シゲは前を見て、駅へ歩く行為に専念することにした。
吐く息は相変わらず白く、吹き抜ける風は冷たかった。
でも、プレゼントが入っているポケットの中だけでなく、どこか体の内側から、ぽかぽかと暖かかった。


          END
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2008/12/26 笛小説 Trackback() Comment(0)

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