シゲマイ更新です。
ゴールデンウィーク!!
あとほんのちょっとですが皆さんお楽しみくださいー
[0回]
かくも幸福な眠り
「なんでお父さん帰ってこないの?」
パジャマに着替えさせている途中で言われた娘の台詞に、麻衣子はため息をついた。シゲはもうずっと、帰ってきていなかった。
「ねえママ、どうしてー?」
食い下がる娘に、もう何度めになるかわからない説明をする。
「お父さんはお仕事だらって言ってるでしょう? テレビで試合だって見られるじゃない。お父さんすごく頑張ってるのよ」
「試合に出てても、前はもっといっぱい帰って来てたよ。ねえ、どうして帰ってこないの? お父さんと遊びたいよ」
「今度帰ってきたら、たくさん遊んでもらえるから」「今度っていつ? いつ?ねえママー」
だだっ子になりつつある娘に、麻衣子は目線を合わせた。
「お父さんも会いたいの我慢して頑張ってるのよ。だから、お父さんのこと、応援してあげようね? 」
娘は首をふる。
「いや、お父さんに電話してよ、ママ。お父さんに言うから」
「駄目よ、お父さんお仕事中なんだから」
「どうして? 前はいつでも電話できたよ、どうしてダメなの?」
泣き出してしまった娘をあやし苦労して寝かしつけてから、中々連絡がつかないシゲに、泣きたい気持ちで麻衣子はメールを打った。
次に会えるのは、いつになりそうですか――と。
それから一月ほど経って、ようやく顔を見せたシゲが言う。
「出稼ぎやー言うたやんか。おとんは遠くに稼ぎに行ってるんやでええて」
「それじゃ分からないわよ。まだ4つなのよ?」
麻衣子は言い返した。
「その辺は上手く言うてぇな麻衣子」
「国内リーグと海外リーグじゃ、遠さが違うって言っても上手く伝わらないのよ。国内と同じでテレビで試合見られるから。時差だって、まだこの娘にはわからないし」
「まぁ、しばらく俺がおらんのにも、慣れるんと違う? そのうち」
「何よ、そんな事言ってて、貴方だれ? なんて忘れられても知らないからね」
「それは嫌やなぁ」
危機感なく笑う彼に、麻衣子は頬を膨らませた。
「勘弁してや、俺かて色々、先々のこと考えて欧州行ったんやから」
「海外市場の強化?」
「そうそう」
シゲはシゲで、呉服屋という商売の将来も考えての海外移籍であった。
「動けるうちに活躍して名前売らんと。向こうででも、ええ宣伝になるねんで」
「わかってますわよ、それは」
麻衣子は腕組みをした。
「やっぱり私たちも、そっち行った方がいいかしら?」
シゲはぎょっとしたように言う。
「大丈夫なん? 麻衣子、日本語しかできひんやん」「さあ、分からないけど。これじゃあ真剣に考えないといけないわよ」
笑んで麻衣子は言う。
麻衣子の指差した先にあったのは、シゲの胸にしがみついたまま寝てしまった娘の安らかな顔であった。
前半でミスリードを入れたいなーと思って書いたんですが、難しいですね(-_-;)
どうやるんだろ…
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2014/05/04
笛小説
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