作品更新久しぶりですね(__)
短めです。
どうぞ。
[0回]
警報注意報
外出からマンションに戻ってきた麻衣子は、玄関にある見覚えのある男物の靴を見て、首をかしげた。
「来るなんて聞いてなかったですのに……シゲー、来てるの?」
リビングのドアを開けると、顔を下にむけて、うつぶせに、ソファーにのびている、背の高い人影。
「寝てるの? シゲ?」
いつからこうしているのか、話しかけても、ぴくりともしない。
「ちょっとシゲ、大丈夫?」
生きているのか心配になって麻衣子が彼の肩をゆすると、涙目になった彼が顔を上げた。
「どうしたの? どこか具合悪い?」
麻衣子の質問に、無言で首をふる彼。
「何よ、黙ってちゃわからないわよ」
シゲは首をふるばかりで、何も言わなかったが、麻衣子が困った顔をしていると、すっと、テーブルの上を指差した。
食べ掛けのパスタが置いてあった。
それは、麻衣子が自分用にと作っておいたもので。 麻衣子は飛び上がって言った。
「ちょっと、貴方食べたの!」
無言で頷く彼。
あわてて麻衣子は冷蔵庫から水を取り出し、グラスとともにシゲに差し出した。麻衣子特製のペペロンチーノ。 麻衣子の好みは、オリーブオイルの色が赤くなるくらいの激辛なのだ。
水をちびちび飲んでいる、まだ涙目のシゲが、回らない舌で言う。
「お嬢、人が殺せるで、この辛さ」
「ごめんなさい、ってば! だって貴方来るなんて言ってなかったじゃない。勝手に食べちゃダメよ、だいたい」
「仕事が空いたから来たら、ごっつ旨そうやったんやもん。腹も減っとったし。えらい目に合うた。お嬢の料理は危険やな」
「ちゃんとあなたの分は普通に作ってますでしょう、失礼ね! 口直しに何か作るわ、何が良い?」
「……辛くないもん、お願いしますわ」
麻衣子が立ち上がって支度を始めると、彼はまたソファーに横たわってしまった。どうやら相当のダメージだったようだ。
…<つまみ食い禁止>の札かなにか、用意しなきゃね。
激辛好きの麻衣子としては、自分ひとりの時ぐらい、好みの味で食べたいので。食いしん坊の彼には、警告が必要なようだった。
麻衣子さんは激辛好きだそうです。ヤバいくらい辛いのが好きそう。
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2014/04/29
笛小説
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