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2026/02/17

間が空いてしまったよOH~(シゲマイSS更新)

すっっっかり間が間が空いてしまいました……
拍手をいただいてましたのに、お返事していなくてごめんなさい!
ありがとうございました。

こちらに来ていただいている方も、しばらく何にもなくてすみませんでした。
とりあえず、シゲマイ更新します。
ほんっと久しぶりな上に、ちょっとあやしい感じのシゲマイですが。
どうぞ。

拍手[0回]






「お嬢、俺と付き合うて」
「嫌」
そんな会話を、何度繰り返したことか。


Chic&ennui 


抱き寄せていた柔らかな身体を、シゲはしぶしぶ手放した。彼女の手がシゲの胸元を押して、離れたいと意思表示をしたからだ。
彼女は身体を引いて、胸元を隠すように押さえると、シゲの顔を一瞬だけ見てから目をそらし、シゲとは反対方向へと寝返りを打って背中を丸めた。

シゲは黙って二人の身体が隠れるように掛け布団をかけ、軽くため息をついた。

いつもこんな風に背を向けられる。恥ずかしがっているのならまだ突破口もあるのだけれど、そうじゃないのだから困ったものだ。
彼女とベッドを共にするようになって既に半年。さすがのシゲも正直、攻めあぐねている。

「なあお嬢、こっち向いてや」
「……嫌」
「なんで」
「嫌なものは嫌だからよ。もう気は済んだでしょ」
「そんな即物的とちゃうで俺は」
シゲは背後から彼女の身体に手を回し、抱きしめた。
華奢な肩。なめらかな髪は乱れてシゲの口元をくすぐる。
柔らかな腕をたどり、折れそうな手首を掌で包む。ほっそりとした指。絡めるようにして握ってみても、彼女から握り返してはくれない。
「お嬢」
「……なぁに」
「なんでなん?」
「何が?」
「なんで、俺とこーゆう事するん?」
「こういうことって?」
「……こーゆうこと」
シゲはゆっくりと掌を動かし、胸元の柔らかなふくらみを辿る。ふわふわした感触は、飽きるということがない。
「……もうダメよ。おしまい」
「今日はってこと?」
「……どうかしら」
少し笑って彼女は答えた。シゲは大人しく手を彼女のウエストへ戻し、もう一度抱きしめた。

「もうええ加減に俺のモンになったってええやん。もう半年経つで?」
「そうだったかしら。早いわね、時間が経つのって」
「どうしてもあかんの?」
「おやすみ、あした早いんでしょ?」
「お嬢のいけず」
ふう、とため息をついて、シゲは彼女の肩に額を当てて目を閉じた。今日は大人しく寝ておこう。もともと寝付きはいい方だし、彼女が腕の中にいる夜なら、さらにぐっすり眠れる。



「佐藤、起きて」
肩を叩かれ、頬をつねられて、シゲは眉をしかめながら目を開けた。
「ほら、朝よ」
ぼんやりとした視界に彼女の顔が映り、モーニングコールの目覚まし音が耳に響く。ねぼけた頭にはきつい音だ。
「あぁ……おはようさん」
身体をのばして目覚まし音を止めると、ようやく目が覚めてきた。
昨日の記憶がよみがえる。今も素肌を重ねあっているという事実も。
枕元で眠そうな目をしている彼女を見下ろしてシゲは言った。
「お嬢、俺と付き合うて」
彼女は目をこすってから答えた。
「……嫌よ」
「……さよか」
シゲは枕に力なく突っ伏した。

これで何回断られただろう。少なくとも10回以上。思い返せば結構な回数だが、まだ諦めるわけにはいかない。
デートをして食事を摂って、夜も一緒に過ごすというフルコースを堪能したシゲにしてみれば、この申し出は当然なのだ。
ただの女友達にはここまでしないし、される謂れもないのだから。

「佐藤」
枕に突っ伏したまま目を閉じていたシゲを、彼女が呼んだ。
「ん、何?」
「そろそろ起きなくちゃだめよ」
「うん」
「時間でしょう?」
「うん」
「電車、遅れるわよ」
「いってらっしゃい、って言うて。そしたら起きる」
「……さっさと行きなさいよ、遅れても知らないわよ」
「冷たいこと言わんと」
顔を近づけて唇を重ねれば、彼女もやんわりと押し返してくれる。反応だけみれば、シゲに気持ちがあると判断するところだ。
彼女の唇はやわらかい。ついばむように動かすうちに、また熱が籠ってきて、シゲは舌を絡ませるように差し入れた。
彼女は小さく声を漏らす。
否定の声ではないことを、シゲは経験上知っている。
「ん、佐藤、遅れるってば」
「わかっとる。もうちょいだけ、な」
額にキスを落とし、首筋を探る。耳の後ろあたりに軽く吸いつけば、彼女はびくりと身体を震わせた。
彼女はシゲ以外に男を知らないはずだし、こんな風に首筋の弱い所ももう分かっているのに、どうして付き合ってくれないのだろう。もう付き合うのが自然な距離に、二人は居るはずなのに。


シャワーを浴び終え、服を着てから、シゲはベッドに腰かけ、横たわる彼女を見下ろした。
「じゃ、行ってくる」
「ええ。……気をつけてね」
唇を片方あげて、シゲは軽く笑った。
「いってらっしゃいは、言ってくれんねんな。まあええか。次に会うまで、浮気したらあかんで」
眉をひそめた彼女の眉間にキスをして、シゲは軽く彼女の頬をなで、部屋を後にした。
とりあえず今は、手に入るもので満足。
目標達成のコツはあきらめないことで、あきらめないためのコツは、あまり深く考えないことと、ステップの一段一段を低くすることであるらしい。




ふと目を覚まし、時間を確認すると、9時に近かった。三時間近くもぐっすり眠り込んでしまっていたらしい。
いつまでもこんなことを続けてはいられない。
麻衣子はもの憂くため息をついて起きあがった。
ベッドでの相性がいいからといって、相手を愛していることにはならない。身体を任せている以上、麻衣子は自分のものだという彼の言い分には素直に頷けない。
一緒にいれば楽しいし、抱きしめられれば安心する。触れられるのも嫌じゃない。彼が喜ぶのなら、身体を重ねるのもいいだろう。でもその中に彼への気持ちがあるかどうか、麻衣子にはよくわからないのだ。
必要としてもらえるのなら、誰でも良かったのかもしれないし、一人でいるのが寂しかっただけかもしれない、とも思う。

彼が麻衣子を選んだことにしたって、確信があってのことではなかっただろう。こうなったいきさつを思い返してみれば、そう推測できる。
単純な好意と下心だったはずだ、最初は。下心に、純粋もなにも無いのだから、彼を責める謂れもないのだが。

今では、自分は意地を張っているだけなのかもしれないと、偶に思う。さいしょに唇が触れあったときから、未知の出来事での震えと驚きを宥めるように彼にきつく抱きしめられるまで、彼は麻衣子の警戒心をあまりに簡単にくぐり抜けてしまった。
なりゆきに流されただけなのに、なし崩しにこのまま付き合ってしまってもいいのだろうか。彼の体温が心地いいだけに余計、そう思ってしまうのだ。

いまさら、ほかの人と付き合う気もしないのだけど。

のろのろと身支度をして、エレベーターを降りる。
鍵を返しにフロントに寄ると、少々お待ちくださいませ、と、いつもとは違う言葉を掛けられた。

「こちらをお渡しするようにと」

差し出されたのは小さな花束だった。
リボンの代わりに巻かれているのは細身の銀色のチェーンで、ペンダントトップには花模様の細工が施してあった。きれいな色の石がはめ込まれている。
「……綺麗ね」
深い色味をした、群青色の宝石は、今の麻衣子の気分にぴったりだった。




End
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2009/07/27 笛小説 Trackback() Comment(0)

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