遅れました、すみません~
1月じゃ終わらなかったっっ!
もしかしたら、8話じゃ終わらないかも?
謎解きはディナーの後で 7 です。どうぞ~
[0回]
謎解きはディナーの後で 7
「送信っ、と……」
ふう、とため息をついたシゲに、「何やのん、しんきくさいなぁ」とノリックが声をかけた。
「デートの約束はしたんやけどな。どうなるかわからんもんで、なぁ」
頭をかきつつ、シゲは答える。ノリックとの初詣の後、これから新年会のため、二人は適当な店で時間をつぶしていた。
「ふうん。初詣の時の娘ぉの事? 理性なんたら、ってやつ」
「よぉ覚えてんなぁ、ノリック。忘れてんか、失言や」
「そお言わんと。話してみいひん? 僕に。なんやいいアイデア出るかも」
「話されへんわ、お前に話したら、次の日ぃにはみんなに広まっとるやないかい」
「ええやんか。お前、そないに秘密主義の男でもないやろ」
「あのなぁノリック。俺は今、危機的状況やねん。ふられるか否かの瀬戸際やねん。だいっっじな時期やねん」
「ケチくさいなぁ。そないに言うんやったら、まぁええわ。ええ結果が出るよう、前祝いしたるわ、皆で」
「やめぇや、縁起でもない。あいつらやったら絶対、失敗する方に願かけるねんで」
「それもそうか。まぁ、お前も大変やね。せっかくモテてるんやから、寄ってくる女から選んだらええのに。よりどりみどりやろ」
「しゃーないやんか。こいつがええ、思ぅてまんねんもん。はぁ。憂鬱やわあ、デート」
「楽しまな、あかんやんかシゲ。おもろない顔の男とデートしたって、相手かておもろないで」
「……そうやろなぁ」
「なんや手土産でも買ぅていったらどないや?」
「そんなんで釣れる女とちゃうしなぁ」
「そないに難攻不落な女なんてなぁ。お前が口説いたら、女なんてぼろぼろ落ちそうなもんやけどな」
気楽に話すノリックに、シゲはまたため息をついた。
もしかしたら、シゲがいつもの調子で上條麻衣子を口説けていたら、とっくに上手くいっていたのかもしれなかった。
けれど。そうできないのが、恋心、というもので。
シゲは、上條麻衣子のアパートの前で見知らぬ男から彼女を奪ってから、彼女の部屋の中に入っての出来事を思い出した。
シゲはあの時、どうすれば良かっただろう。
彼女は酔っていた。
支えていなければ歩けないほど。
コートを脱がせてしまえば、下着のラインが分かるほど薄着だった。
プリーツスカートに包まれた素足に気をとられつつも、ベッドに彼女を寝かせたとき、シゲを引きとめるように抱きついてきたのは彼女だった。
そして、そのまま、シゲの首に顔をうずめ、甘えるように鼻をこすりつけて――さらには、首筋にキスをして来たのだ。
彼女に、そういう気がいっさい無かったとはいえ――シゲの理性が飛ぶのも、無理なかった。
ベッドに横たわった彼女に覆いかぶさり、服のボタンを2つ3つ外し、あらわになった鎖骨にキスをした。
唇にも、数度。半開きの唇から、ため息が漏れたような気がして、煽られて。
シャツをずり下げて肩をあらわにし、華奢な白い肩口にまたキスをして。
白い胸元、ピンクレースの下着を見て、それをずらして彼女のやわらかそうな胸をあらわにしたい欲を、さすがにそれは、と必死に押し殺して。
押し殺しきれない、と、ぎりぎりで粘って、彼女の胸に強く吸いついて跡を残した。
冷静になってから思えば、キスもそうだが、キスマークなんて証拠を残した時点で、シゲは相当、おかしくなっていたようだ。
意識のない女性に、していいことではないのだ。
彼女が見知らぬ男と一緒に帰ってきたジャストのタイミングで、シゲが彼女を気まぐれに訪ねたのは、神様のお導きとしか言いようがないが。
せっかく、彼女の警戒心を刺激しないためにと、ずっと、おあずけをくらった犬のように、品行方正にしていたというのに。これでは一気に台無しだった。
「デートの約束はいつなん?」ノリックの問いに、
「明後日の、昼から」と、力なくシゲは言った。
夜ご飯を一緒に、というのがいつもの彼女との約束だった。
昼に、外で待ち合わせというのは、やはり意味があるのだろう。
シゲは、何度目かのため息をつかずには居られなかった。
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2014/02/01
笛小説
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