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藤村成樹が、急いでレストランの前に戻り、2時間ぶりに再会した直後。
「私、門限があるの」
という上條麻衣子のセリフを聞いて、全くがっかりしなかったといえば嘘になる。
けれど。
占いは信じない主義5
「さよか。門限、何時なん?」
上條麻衣子に、藤村成樹はそう聞いた。
「10時、ですけど」
「あんま時間ないねんな。じゃ、コーヒーでも飲もか」
振り返って、角にあるコーヒーショップを指し示す。
「……そうね、ええ、いいわ」
気乗りしているのかどうか、よく分からないながらも、彼女はシゲの後をついてきた。
チェーンのコーヒーショップでフレイバーコーヒーを注文し、席につく。
数年ぶりに会った上條麻衣子に、全体的に、別人となったと思えるような、劇的な変化は、外見はなかった。
黒い長い髪も、あの頃のままだ。
席に座るとき、控え目な香水の香りが、鼻をくすぐったぐらいで。
それなりの格好と化粧をしてはいるものの、雰囲気も、あの頃のままのように感じる。
こんな風に再会するなんて、思ってもみなかった。
けれど、ずっと、会いたいと思っていた相手。
年に一度、送られてくる、バースデーカード。
シゲも毎年、送り返している、バースデーカード。
サッカーや、他の事にも色々と、忙しい日常を送ってはいても、彼女を意識し続けるには十分だった。
コーヒーショップでの会話は、今のお互いの現況報告からはじまり、同級生の現在と、昔話で終了。
さて、そろそろ電車に乗らないと、という時刻になるのは、あっという間だった。
「お嬢、そろそろ時間やな」
シゲは自分から口火を切った。
「そうね、そろそろ……」
彼女が時計を見て答える。
シゲに向けられる彼女の視線から、何か、シゲに対する好意のようなもの、その片鱗でも読み取れないものか、とシゲは思って彼女を見つめた。
2011/09/10 笛小説 Trackback() Comment(0)
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