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時計を見て、もうそろそろ、本当に帰らなければならない時間になった事を確認してから。
上條麻衣子は、藤村成樹をじっと見つめた。
占いは信じない主義6
なんだかずっと、本当に普通の、偶然再会した同級生どうしの会話だった。
緊張はしていたけれど、普通に話せた事に、麻衣子は驚いてもいた。
劇的なものを想像していたわけではなかったけれど、なんとなく。
こんな風に普通に会話する機会があるなんて、思ってはいなかったから。
カードだけのやり取りだったのに、こんな風に一緒にいるなんて。
とにかく、意外で、不思議でもあった。
彼は今、テレビに映るような人でもあるのだから。
カードを見て、いつか会えるかもしれないと思いながら、こんな風に近くにいることがあるなんて、思いもしなかった。
「……ありがとうね」
麻衣子は言った。
「何が?」
と彼が言った。
「忙しいんでしょうに、時間作ってくれて。話せて良かった」
「……うん、そうやな」
彼はそう言うと、目をそらし、立ち上がる。
「遅いけぇ、送るよって」
「そうね、もう出なくちゃ」
麻衣子も立ち上がった。
てっきり、駅までの「送る」だと思ったら、藤村成樹は麻衣子の家まで送る気のようだ。
一緒の電車に乗ると、彼の周りを、視線がうろうろするのが分かる。
「本当は有名人なのよね」
思わず麻衣子は言った。
「まぁ、顔はそこそこ売れてるみたいやで。嬉しい?」
「嬉しい? 何が?」
「俺と並んで注目されるの」
藤村成樹が、至近距離で、見降ろして聞いてきたが、麻衣子は首をかしげた。
「見られてるのはあなたでしょう? 私じゃないわ」
「ん、そうかもしれんな。でも、並んでる男が自慢できる男やったらうれしいもんやない?」
「自慢できる人? 周りの人に?」
「あー、ちゃうか、隣に居るのが、好きな男やったら、お嬢はうれしい?」
「そうね、それはそう。嬉しいと思うわ、きっと」
「今は? 嬉しい?」
「……不思議な感じだわ、なんだか」
「っさよか、お嬢、おもろいわー」
くすくすと笑いだした藤村成樹に、麻衣子は再度、首をかしげた。
続く
終わらなくてすみません。間が空いてすみません。
仕事なんか、いや仕事は大事ですが、うっちゃりたいです。畜生。
2011/10/24 笛小説 Trackback() Comment(0)
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